子供の不登校の原因

不登校は小学生、中学生合わせて12万人と言われ深刻な社会問題となっています。また、不登校が切っ掛けとなり引きこもりや、ニート、うつ病などに移行する事も少なくありません。不登校の原因を知り、不登校の根本を解消する事は子供の未来にとって保護者の重要な役割です。

統計でみる不登校の原因

現在、小学生、中学生では長期欠席にしがちな子供は20万人、不登校は13万人を超えており深刻な社会問題となっています。不登校と聞くと多くの場合はイジメを連想するかもしれませんが、実はイジメによる不登校は全体の1~2%程度なのです。ただし、これは自己申告なので現実はもっと多いかもしれません。しかし、いじめが切っ掛けで不登校になるのは少数だという事は明確です。

千葉県で起立性調節障害が切っ掛けで不登校になってしまった中学生が通院する整体院が見る不登校の統計

いじめを除く友人との人間関係では10~15%程度、教師との関係では1~3%程度となっています。いじめ、人間関係での問題が不登校の原因になっている場合はどちらかと言えば少数なのです。

 

 

では、不登校になる最も多い原因は何でしょうか?

それは、無気力と不安感なのです。無気力が約30%、不安感などの情緒不安定が30%と合わせて6割が不登校の原因とされています。不登校とは人間関係が原因といった先入観がありますが、不登校になる本当の原因は『本人の問題』が大多数になります。

【不登校の統計はあくまでも主観的データー】

イジメは1~2%程度と統計では出ていますが、自己申告制なので現実はもっと多いと思われます。いじめは人に言いにくい事ですから、統計上に現れないのは当然かもしれません。

 

千葉県で起立性調節障害によって不登校になってしまった高校生が通う整体院が教える不登校の統計

詳細は後述しますが無気力、不安感などの情緒不安定、親子間、家庭内での問題の不登校も保護者や教師がその様に考えているだけで、実は身体の問題が発端となっている場合が多々あります。

不登校は性格や怠けているのではなく体調の問題である

不登校の原因の多くは人間関係よりも圧倒的に無気力や不安感などの情緒不安定になる本人にも問題があるという事が分かったかと思います。では、本人の何が問題なのでしょうか?

無気力、不安感と聞けば多くの方は『性格の問題』『たるんでいる』『甘やかし過ぎた』『気合が足りない』『怠けている』などと思うのではないでしょうか?要するに精神的な問題、気持ちの問題だと。もちろん、その様な子もいると思います。

しかし、多くの子供は気持ちや性格、精神問題では無く『身体の問題』なのです。身体の問題とはどういうことか?具体例として起立性調節障害という病気の話をします。

不登校の原因になる起立性調節障害とは

千葉県の整体院で起立性調節障害の小学生が多く通院する整体院が教える起立性調節障害のメカニズム

起立性調節障害とは自律神経が上手く働かずに血圧が低下し、脳へ血液が行かなくなり頭痛やめまい、だるさ、吐き気などの症状を引き起こします。午前中に症状が出て、午後になると元気になるという特徴が起立性調節障害にはあります。また、立ち上ると脳への血流がさらに悪くなり、具合が悪くなるので寝転がったままになります。

ですから、朝起きて学校の支度をする事が困難になります。そうなると子供の日常生活はどうなるか?午前中は具合が悪いので学校に行かず家でゴロゴロします。しかし、午後は元気なのでテレビやゲームなどを楽しんで夜更かしをしてしまう様になります。そして、翌日はまた具合が悪いと言って起きられず、、、、、

この様な子供を見て起立性調節障害という病気を知らない保護者はどの様に思うでしょうか?『規則正しい生活をしないから朝起きられないんだ』『怠けている』と思うことでしょう。起立性調節障害を知っている保護者ですら、上記の様に思ってしまう位なので仕方が無いかもしれません。

しかし、実は規則正しい生活をしていないからではなく『自律神経機能が低下した事により、身体の機能が低下した状態』となり、それによって規則正しい生活が出来なくなってしまっているのです。つまり、性格や怠け癖ではなく『身体の問題』が原因です。

起立性調節障害の統計

起立性調節障害は不登校の原因として医学的な統計では4割とされています。また、『怠け病』『仮病』『性格の問題』と誤解されやすい特徴的な症状な為に起立性調節障害を診断できる病院に受診しない方も少なく無いので、隠れた起立性調節障害も含めれば7割近いのではないかといったデーターもあります。そして、起立性調節障害は多くの方に認知されていないので文部科学省などの統計では『身体の不調』としては数に入れられず、無気力や不安感、親子間の不調和とされているのです。

自律神経の機能低下は起立性調節障害だけではない

起立性調節障害は自律神経の働きが悪くなる事で血圧を下げる事が問題になるのですが、自律神経の機能低下は血圧だけでなく様々な問題も起こします。起立性調節障害の様に血圧が下がるなどの問題が無くとも、その他の器官の機能が低下する事で頭痛やめまい、吐き気、耳鳴り、倦怠感などの身体的問題も起こします。

自律神経の機能低下は精神的な問題も起こす

自律神経の機能低下は気力の低下、集中力の低下、精神的なストレスを受けやすくなる、ストレスに弱くなるなど、精神的な問題も起こします。例えば、学校生活をしていれば友達に嫌な事を言われたなどの事は誰にでもある事です。鬱の中学生

自律神経の機能が正常ならば寝る事で脳へのストレスが減少し、日に日に精神的ストレスは薄れていきます。しかし、自律神経機能が低下していると質のいい睡眠が取れないが為に脳のストレス、疲れが取れない為に精神的ストレスを発散できずに溜め込んでしまう事になります。

 

そして、それが蓄積した結果、身体に様々な症状を出し、結果的に不登校となります。そうなれば周りの大人たちは友達関係、人間関係で不登校になったと勘違いをしてしまいます。

自律神経の機能低下は精神的ストレスが起因する?

自律神経の問題と聞くと多くの場合、精神的ストレスが起因すると考えられています。   しかし、真実は違います。上記にも記載した通り、自律神経の機能が低下した事で精神的なストレスに弱くなる、ストレスを受けやすくなる、ストレス解消をしにくくなるのです。背骨と神経

もちろん、いじめなどの強い精神的ストレスで自律神経機能が低下する事もあります。その場合はいじめなどの問題を解決しなければ、自律神経の健康状態は取り戻せません。

 

ただし、いじめでは無くちょっとした友人関係のストレスを受けやすい子供は元々が自律神経機能が低下している可能性があるかも知れません。

その様な状態ならば友達との問題を解決するのではなく、自律神経機能が正常に働くようにアプローチする必要があります。

不登校と自律神経機能の問題が一般的に知られない理由

自律神経機能の低下は病院での検査では異常が出ません。病院の検査は万能に思われている方が多いようですが、血液検査、画像検査でも問題はなく、自律神経機能の問題の検査は確立されていないのが現状です。また、起立性調節障害の検査はほぼ確立されていますが、問診と特殊な血圧の測り方で診断するので自律神経機能の検査ではありません。

頭痛を強く訴えても病院の検査では異常が無いと言われてしまいます。自律神経機能の低下でよくみられる、めまいや耳鳴りでも耳鼻科の検査では異常が出ません。起立性調節障害を知らない、検査法を知らない医師も少なく無く、異常なしの診断となります。

医師に異常なしと言われれば保護者、教師など周りの大人たちは『身体の問題』とは思わず、心の問題、性格の問題と思ってしまいます。そして、現代医学では何か分からない症状や疾患はすぐに心の問題と決めつける傾向にあります。

医師や周りの大人の先入観、知識不足が不登校と自律神経の関係などは考えず、心の問題として捉えられている事が統計上には反映されない原因となります。そして、その結果が自律神経の問題が一般的に知られない原因となってるのです。

何故、身体の問題に気が付いてあげられないのか

先述のとおり、病院では異常があっても異常なしの診断になる事が少なくありません。医師の言っている事には間違えないと思い込むことが身体の問題に気が付いてあげられない要因の一つです。また、小学生や中学生は体調がどの様に悪いのかを保護者、教師、病院の先生に表現、言葉にして伝える事が出来ません。結果、本当は身体の具合が悪いのにそれが周りの大人たちには伝わらず、『たるんでる』『怠けている』『性格の問題』と思われてしまいます。

身体の問題を理解して子供はどうなるのか

怠けている、気持ちの問題などと言われ続けた子供はどうなるか?自分自身でも体調が悪いのではなく『気合が足りない人間なんだと』と思い込むようになります。周りの大人たちが気持ちの問題と子供たちの心に擦り込ませ、意図せずして洗脳してしまうのです。

そうなれば結果的に自分はダメなんだと思い、ネガティブになり、すでに機能低下している自律神経を更に機能低下をさせてしまうのです。そして問題はどんどん深くなります。まさに、悪循環であり、引きこもりとなるパターンの典型です。

家庭内・親子間が原因となる不登校

家庭内、親子間での問題としては8~19%といじめや学校での人間関係に比べて高い水準となっています。理由は何でしょうか?多くの場合は親子間、家庭での不調は子供の体調不良、自律神経的の問題が発端となっている場合が少なくありません。

 

例えば、『大した理由もなくイライラしている』『いつも家で無気力にゴロゴロしている』『体調が悪いと言って欠席したのに午後になるとテレビやゲームを楽しんでる』『夜更かしして朝起きれず学校を休む』

この様なお子さんを見れば多くの保護者は腹を立て、子供を叱ります。しかし、子供からすれば本当に身体の体調が悪い、、、ウソをついている訳では無いのに叱られてしまうので保護者に対して心を閉ざしてしまいます。先程も述べたように小学生、中学生ではどの様に体調が悪いのかを上手く表現、伝える事が出来ません。そうなると、保護者も身体の異変を察知できず『怠けている』『気合が足りない』『性格の問題』と考えてしまい、結果的に親子関係は悪化します。

夜元気で、朝具合が悪いというのは起立性調節障害の典型症状です。これは自律神経の問題です。しかし、多くの保護者は起立性調節障害の事など知りません。

また、医師ですら知らない場合もあるので、起立性調節障害と診断されない場合が少なく無いので身体に異常は無いから気持ちの問題と勘違いされ、それが統計的に無気力や不安感などの情緒不安定、親子間、家庭内の問題と統計的に振り分けているのが現実です。

不登校の原因のまとめ

不登校は朝起きられない、頭痛やめまいがする、イライラや落ち込みやすい、元気が出ない、疲れやすいなどの【自律神経機能の低下によって引き起こされる症状】が大多数の原因となります。社会的な背景や人間関係で不登校になる小学生、中学生は少数です。

ある医学的な文献では適切な検査をしない為に起立性調節障害と診断せれていないだけで、起立性調節障害の症状が切っ掛けで不登校になっている、小学生、中学生、高校生は7割を占めるとも言われています。

しかし、病院では自律神経の機能低下を検査することは出来ない、病理学的に異常は診られないが為に軽視されているので傾向なので、身体的な異常は無いとの診断となります。よって、文部科学省の統計にはその問題が現れていないのが現状です。